下水道管の再構築の選定フローは、下記のフローとなります。 |
既設排水管の措置
用語 |
意味 |
設置 |
施設の新設および排水区域の拡張等に起因する施設を増設すること |
改築 |
排水区域の拡張等に起因しない「対象施設」の全部または一部を再建設あるいは取替えること |
更生工法 |
既設管に破損、クラック、腐食等が発生し、耐荷能力、耐久性の定価および流下能力が保持できなくなった場合に、既設管内面に管を構築
して既設管の更生および流下能力の確保を行うもの。管渠更生工法の中には、反転工法、形成工法、製管工法および鞘管工法がある。
発注者によっては、内面被覆工法ともいう。 |
敷設替工法 |
既設管を新設管と入替えるもの |
開削工法 |
地表面から土留めと支保工を施しながら溝を掘削し、その中の既設管を新設管に入替える工法 |
改築推進工法 |
老朽化や機能不全の下水道管渠等を推進工法用掘進機で破砕・除去あるいは排除しつつ新設管を推進敷設する工法 |
(1)現在の下水道管の再構築の検討では、下記のような状況です。 |
「推進工法用設計積算要領 改築推進工法編」の資料は2009年に公開され、施工実績も増えてきております。しかし、まだ、認知度が低く「選定(2)」の検討がなされていないこともあります。
現在の選定フロー図では、「改築推進工法」の項目はありますが、「選定(2)」がありません。
公共下水道工事の設計検討は、事前に現地の調査・試掘が十分なされず、下水道台帳等の資料を基に工法が選定され、発注後に試掘等を行いようやく改築推進工法が検討されているのが実情と思われます。
(2)老朽化した下水道管の再構築を検討する際に、次の理由で開削工法あるいは更生工法を採用できない場合があります。 |
①開削工法を採用できない理由
地上構造物がある
開削による周辺地上構造物への影響が大きい
電気・ガス・水道等の埋設管があり、土留め矢板の設置が困難
交通規制が困難
地下水位が高いための地盤改良が必要だが、周辺構造物への影響が大きい
②更生工法を採用できない理由
管渠に破損・たるみ・継手ズレ等がある
排水能力を大幅にアップさせたい
(3)上記条件の場合には、改築推進工法の検討をお勧めします。 |
「改築推進工法」 という用語は以前からありましたが、2009年に(社)日本下水道管渠推進技術協会(現 公益社団法人 日本推進技術協会)から「推進工法用設計積算要領 改築推進工法編」が発行され、改築推進工法が明確に位置付けされ、さらに、2013年4月1日に「推進工法用設計積算要領 改築推進工法編」(2013年改訂版)が発行されました。
改築推進工法の分類に対する具体的な工法および適用管径は、下表に示す通りです。 |
構造分類 |
機能分類 |
工法分類 |
工法名 |
適用管径 |
改 築 推 進 工 法 |
静的破砕推進工法 |
ロッド牽引方式 |
スピーダーSPM工法 |
φ250~φ400 |
チェーン牽引方式 |
EXP工法 |
φ200~φ600 |
衝撃的破砕推進工法 |
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インパクトモール工法 |
φ200~φ1350 |
切削破砕推進工法 (既設管充填式) |
スクリュ排土方式 |
アイエムリバース工法 |
φ200~φ1000 |
圧送排土方式 |
リバースエースシステム |
φ200~φ700 |
泥水方式 |
パイプリプレーサー工法 |
φ250~φ700 |
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CMT工法 |
φ800~φ2000 |
切削破砕推進工法 (既設管ガイド式) |
オーガ方式 |
パイプキュア工法 |
φ250~φ450 |
オーガ鋼管式 |
OK-PCR工法 |
φ200~φ600 |
引込推進工法 |
二重ケーシング式 |
UPRIX工法 |
φ200~φ600 |
一重ケーシング式 |
ベビーモール工法 |
φ200~φ800 |
大口径ケーシング式 |
Reキューブモール・アーマー工法 |
φ800~φ1650 |
改築推進工法にも前項で示した工法があり、検討が必要な施工条件により、最適な改築推進工法を検討する必要があります。
例として、EXP工法の選定フローは下図に示す通りです。 |
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